Research Division

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図)角膜輪部上皮ニッチ長期培養中の細胞。
Figure) Long-term cultivated spheroid cells
of corneal limbal epithelial niche.

Our goal is to conduct a wide range of clinically applicable research. We continue to encounter a variety of diseases related to stem cell damage in the limbal region, resulting in deterioration of eyesight. For such patients, we are already performing transplants of cultivated epithelial sheets containing corneal epithelial stem cell. However, in order to increase our success rate, we are currently researching these cells and their supporting environment or niche(see Figure). We are now working on developing artificial corneal stroma, with oral mucosal mesenchymal stem cells as a potential source of cells. We are also involved in the setting up of an Amniotic Membrance bank here at TDC, and in collaborative research with other universities and business enterprises into dry eye and allergies.
 
 

プロジェクト
1) 自己少量角膜輪部組織の幹細胞―ニッシェスフェロイド維持培養法の確立

角膜輪部には角膜上皮幹細胞が存在し、骨髄幹細胞のようにそのニッチの存在が考えられる。これまでに1輪部組織から1ヶ月以上培養可能なニッチ様構造を維持したスフェロイドの作成が可能である事を報告してきた。今回は自己の限られた組織を想定し、少量組織から角膜輪部ニッチ培養法について検討した。培養1ヶ月後、少量組織から形成したスフェロイドは輪部の採取部位により形成数が異なっていた。スフェロイドの組織において、スフェロイド形成数の多い部位では未分化な細胞で認められるp63とslow cycling cellsで観察されるBrdU陽性細胞が多く存在し、一部N-cadherinの発現も観察された。スフェロイド形成数の多い部位では比較的大きなコロニーの形成ならびにG0/G1期の細胞も多く観察された。これまでの事から、少量角膜輪部組織からニッチ様構造を維持したスフェロイドの培養が可能であるが、輪部組織の部位によってその形成能力に違いがある事が示唆された。
 

2) 口腔粘膜上皮下細胞から角膜実質細胞への分化誘導

口腔粘膜は再生能力が高く、眼表面再生のための自己由来細胞供給源として我々は既に臨床応用してきたが、間葉系幹細胞に類似した細胞が口腔粘膜上皮下組織にも存在していることを先の再生医療学会で報告した。今回我々は間葉系細胞の角膜実質への応用の可能性を探るため、角膜の発生で重要な神経堤由来因子に注目し口腔粘膜由来の間葉系細胞の解析を行った。PDGFRaとCD56の発現の比較的高いクローンは有意に分化能が高く、それぞれの分化誘導後、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、神経細胞に特異的な染色像を示した。また、骨髄由来間葉系幹細胞とのmRNAレベルでの比較において、口腔粘膜由来間葉系細胞では神経堤由来関連因子の発現が比較的高い値を示した。さらに、角膜実質細胞への誘導では角膜実質で重要なケラトカンの発現を観察できた。口腔粘膜上皮下組織には多分化能を示す間葉系幹細胞が存在し、角膜実質の細胞源として有用である可能性が考えられた。
 

3)間葉系細胞との共培養が骨格筋筋芽細胞に与える影響

間葉系幹細胞は種々のサイトカインを分泌することで幹細胞の増殖に影響を与える能力を持っている。そこで間葉系幹細胞が骨格筋筋芽細胞シートの性質に与える影響について検討した。HE染色では、ウサギ骨格筋筋芽細胞シートは経日的に厚さを増した。免疫染色では、2日目でデスミンの発現は僅かだったが、7、12日目ではデスミンの発現量が増加してゆき、デスミンの局在は重層化部分と一致していた。RT-PCRでは、Myo D、PAX7は2、 7日目、12日目で確認できた。Myogeninは7日目、12日目で確認できた。HGFの発現は7日目において明確に確認できた。DNA Cell cycle解析によって測定した細胞増殖活性は7日目に実験群がコントロール群と比較し有意に高い値を示した。ウサギ骨格筋筋芽細胞シートの細胞増殖活性はウサギ間葉系細胞と共培養することで促進されることが明らかになった。
 

4) 羊膜と間葉系幹細胞の関連性とその効果と保存

羊膜は抗炎症作用や創傷治癒促進効果があるだけでなく血管のない免疫寛容組織として欠損組織の代替に移植されるなど、多くの臨床の場で使用されてきた。しかし、その効果や作用のメカニズムについて不明であることが多い。最近になって様々な組織で間葉系幹細胞の存在が報告されており、羊膜にもその存在が報告された。この間葉系幹細胞が羊膜の持つ効果にどのように関与しているか明らかにするため、羊膜由来間葉系幹細胞と羊膜とで眼表面上皮創傷治癒への効果を検討している。これまでに羊膜から間葉系幹細胞の分離と行って骨芽細胞、脂肪細胞ならびに神経細胞への分化可能な細胞が存在している事が解ってきた。現在さらに、羊膜由来の間葉系幹細胞が角結膜上皮に対する影響を観察するため、共培養を行っている。